有価証券 有価証券の種類








財産権の中には、権利が証券にいわば化体され、権利の行使は原則として証券によってなされ、
特にその譲渡は、証券と分離してすることができないものが存在する。
こうした財産権を表章する証券を有価証券と呼び、有価証券は、その表章する権利の内容により、
債務証券、物権証券、社員権証券に分類される。











債権証券
債権証券の代表的なものが、一定金額の金銭給付を目的とする債権を表章証券を有価証券と呼び、
有価証券は、その表章する権利の内容により、債務証券、物権証券、社員権証券に分類される。















物権証券
物権証券の代表的なものが、一定金額の金銭給付を目的とする表章する手形、小切手、社債権などと、
物品の引渡を請求する権利を表章する船荷証券、貨物引換券、倉庫証券などとがある。













社員権証券
社員権証券の代表的なものが、株券である。















国際取引の客体としての有価証券
有価証券のうち、国際取引の客体として現実に利用されることの多いものが、船荷証券と株券である。
手形や小切手は、国際取引の客体というよりは、国際取引に付随する支払手段として、利用されるのが通常である。(国際取引法要説より抜粋)
































次に船荷証券の譲渡について説明しよう。



















船荷証券の譲渡







船荷証券の譲渡
株券の譲渡に関連して、株券の譲渡可能性、譲渡の成立とその効力が問題となる場合には、
その判断基準としての準拠法の決定が必要となる。



(1)日本
動産については、法令第10条が存在するが、株券についてはその特殊な性質から、動産には含まれず、
従って、株券の準拠法については、国際私法に名文の規程がなく、条理によらなければならない。



(2)ニューヨーク
株券の取得の成立と効力の準拠法は、会社の従属法である会社の設立準拠法による。



(3)ロンドン
株券の譲渡可能性並びに株券の譲渡の成立及び効力の準拠法は、会社の従属法である会社の設立準拠法による。 (国際取引法要説より抜粋)



















無体財産権/知的所有権
国際取引における無体財産権






国際取引の客体として、伝統的な客体である物権や債権とならんで、第二次世界大戦後に
重要性増したものとして、無体財産権があげられる。




無体財産権が国際取引の客体となるのは、無体財産権自体が譲渡され譲渡契約の対象とされる場合、
財産権利用のため、実施契約の対象とされる場合である。しかし、これらの契約(原因行為)と対象となった
無体財産権の移転行為や利用権設定行為とは区別することができ、分けて考えなければならない。

ここでは、無体財産権の移転行為や利用権設定行為が検討の対象であり、原因行為たる契約については、
国際取引契約において検討する。 (国際取引法要説より抜粋)

















無体財産権=知的所有権
無体財産権は、権利の対象が、著作物、発明、意匠といった人間の精神的な創造活動の所産、
認識標識といった媒体物の価値であるところから、無体財産権と称される。
その価値の形成過程が主として人間の知能に由来することから知的所有権とも称される。 (国際取引法要説より抜粋)








無体財産権=著作権+工業所有権
無体財産権は総称であり、具体的にはその客体に応じて、著作物については著作権と、その他のものを客体とする
工業所有権と二分される。工業所有権は、発明については特許権、意匠については意匠権、商標については商標権等と細分される。(国際取引法要説より抜粋)












次に無体財産権の準拠法について、説明しよう。



























無体財産権の準拠法






どのような価値につき無体財産権の成立を認め、その無体財産権にどのような効力を付与するか、また、
無体財産権の得喪の要件をどうするかは、各国の法律によるため、国際取引の客体としての無体財産権につき
権利の成立やその効力、または、その得喪が問題となった場合には、その判断の基準としての
準拠法の決定が必要となる



(1)日本
無体財産権については、国際私法に明文の規定がなく、条理によらなければならない。
この条理の理解については、次のような見解の対立が見られる。



権利付与国法主義:
無体財産権は国家によって付与されるものが多いという特性を考慮すると、無体財産権の成立、効力、消滅は、
権利付与国ないし登録国法が妥当である。



保護国法主義:
問題となっている無体財産権につき保護を求めれれる国、つまり保護国法によるのが妥当である。



問題点として、日本では無体財産権の準拠法を論じた裁判例は見当たらず、裁判所の見解は明確ではない。



(2)ニューヨーク
権利付与国法主義による。
米国連邦裁判所が著作権の準拠法につき判事した事例もある。



(3)ロンドン
権利付与国法主義による。 (国際取引法要説より抜粋)




























次に、実践的国際取引契約に関する法律問題について説明する。

































































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